「社労士」と「FP」のダブルライセンスについて

当ページは、「社労士とFP(ファイナンシャルプランナー)のダブルライセンス」について、簡単にご説明しています。

社労士と相性の良い資格を活かし、他の社労士との差別化を図ることは、今や珍しいことではありません。

中でも「FP」は、難易度も比較的低く、誰でもチャレンジしやすい資格です(レベルによります)。

高齢者社会が進む現在、男性にも女性にも大人気の組み合わせです。

社労士とFPのダブルライセンスは、以下のようなメリットがあります。

①「年金・保険」の分野に強い
②業務の幅が広がる(扱えるジャンルが増える)
③売上・収入の安定性
④信用度アップ→営業面でも〇

社労士と行政書士の

・ダブルライセンスの有効性
・試験の相性

について重点的にお話していきます。

ぜひ、参考にしてみてください!

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前提① 社会保険労務士とは?

社会保険労務士」とは、人事・労務管理・社会保険のスペシャリストです。

昭和43年(1968年)にできた「社会保険労務士法」により誕生した、専門性の高い国家資格です。

主な業務は、次の3つです。

1号業務(労働社会保険諸法令に基づく書類作成業務)←独占業務
2号業務(提出手続代行業務)←独占業務
3号業務(人事コンサルティング業務)

このうち、1号業務と2号業務は、社労士の「独占業務」です。

社労士だけに許された仕事ですが、価格競争に陥りやすい業務だと言えます。

注目の3号業務(人事コンサルティング業務)は、あらゆる企業の人事や労務上の相談に応じ、適切なアドバイスをする仕事です。

例えば、「人事制度の見直し・就業規則の改定・賃金制度の改定・メンタルヘルス対策・労働トラブル対策・採用対策」等についてコンサルティングを行います。

3号業務は、自分の経験を活かしたり、他の資格と併用したりすることで、業務の幅をいくらでも広げることができます。

前提② FP(ファイナンシャル・プランナー)とは?

FP(ファイナンシャル・プランナー)」とは、人生プランの総合アドバイザーです。

お金に関する多角的な知識をベースに、お客さんのライフプランをコンサルティングします。

個人や企業の相談に応じ、情報を分析し、人生に沿った資金計画のアドバイスをします。

そのために、幅広い知識を必要とします。

FPが扱う分野
家計・税制・不動産・住宅ローン・保険・資産運用・教育資金・年金・介護・相続など

これらの知識を駆使し、相談者の夢や目標がかなうように一緒に考え、サポートします。

経験を積むことで独立しやすく、女性にも大人気の資格です。

また、FPの資格は、「FP技能士(3級2級1級)」と「AFP・CFP」があります。

まずは、国家資格である3級FP技能士と2級FP技能士の取得を目指すのが一般的です。

前提③ ダブルライセンスとは?

ダブルライセンス」とは、2つの(複数の)資格を併せ持つことです。

キャリアアップや転職の武器として。事業の幅を広げるため。他との差別化を図るため。

目的は様々ですが、近年、ダブルライセンスを目指す方が増えてきています。

大事なのは、資格の「組み合わせ」です。

難しい資格を2つ取得しても、十分に活かせない場合もあります。

一方で、誰でも簡単に取れる資格でも、組み合わせることによって、差別化を図れる可能性もあります。

IT化が急速に進み、ロボットやAIの発展も目覚ましい近年、人間の仕事が減ることは確実視されています。

「士業」も例外ではなく、今のうちに今後の対策をしておかないと、予想外の事態に陥りかねません。

価格競争が進み、限界に達すれば、仕事は消えていきます。

そこで必要なのは、「他との差別化」「付加価値の上昇」です!

ダブルライセンスは、まさにその一手になり得るものと言えます。

ダブルライセンスのメリット
・キャリアアップや転職の武器になる
・業務の幅が広がる
・他との差別化が図れる
・知識が増える
・信用が増える
・営業力やマーケティング力が高まる
ダブルライセンスのデメリット
・資格取得に時間がかかる
・最新情報のインプットにも時間がかかる
・資格の勉強、取得に費用がかかる
・資格ごとに、年会費がかかる
・組み合わせによっては、相乗効果が生まれない

社労士とFPのダブルライセンスについて

それでは、「社労士とFPのダブルライセンス」について、簡単にご説明していきます。

ダブルライセンスの有効性

①「年金・保険」の分野に強い

「社労士とFPのダブルライセンス」は、「保険」と「年金」の分野で、高い相乗効果が期待できます。

少子高齢化が進んでいく中、社会保障制度に関する知識は、より一層重要になっていきます

当然、ニーズも高まります。

FP = 家計・貯蓄などの知識を有した、ライフプラン設計のスペシャリスト
社労士 = 年金・社会保険のスペシャリスト

このダブルライセンスは、高齢化社会に向けた強力な組合せです。

特に年金の分野では、他との大きな差別化が図れます。

ライフプランにとって、老後の年金問題は非常に重要です。

年金制度は頻繁に変更されるので、相談者に的確なアドバイスをするためには、国民年金や厚生年金に関する正確な知識に加えて、今後の動向に対する予測能力が必要です。

よって、年金の専門家である社労士のアドバイスは、非常に需要が高いです。

さらに、「年金の相談→計画的なライフプランの提案」という流れにもっていくことも可能です。

また、保険の分野でも、ダブルライセンスが役立ちます。

FPは、民間の生命保険・損害保険や相続に関するスペシャリストです。

そして、社労士は、公的な社会保険のスペシャリストです。

そのため、保険について、FPと社労士の2つの立場からの解説が可能になり、高いシナジー効果が期待できます。

「労災時の保険の適用」や「保険を利用した、退職金積立における税制優遇」などについて、分かりやすいアドバイスができると、クライアントに大変喜ばれます。

②業務の幅が広がる(扱えるジャンルが増える)

社労士とFP双方の知識を併せることで、業務の幅をいくらでも広げることができます。

そのため、「社労士とFPのダブルライセンス」は、独立開業向けだと言えます。

社労士として事業展開する場合
税金・保険・相続・事業承継の知識に強みがあるので、経営者に喜ばれやすい上に、3号業務(コンサルティング業務)に食い込みやすいです。「ライフプランニングができる社労士」としての活躍が期待されます。
FPとして事業展開する場合
FPは扱う範囲がとても広いので、独立するには得意分野があると良いです。実際に、「不動産関係専門」「相続関係に強い」など、得意分野が明確なFPは多いです。「労働・社会保険・年金に強いFP」として活躍しつつ、人事・労務関連の顧問契約につなげることも可能です。

ライフプラン設計のプロ」×「社会保険・年金のプロ

として、様々な強みを持ち、業務の幅を広げていくことが可能です。

※ただし、取り扱える範囲が広すぎるために、事業展開の方向性を見失う危険性もあるのでご注意ください。

退職金の相談!〉
FPの試験科目には、「ライフプランニングと資金計画」というものがあります。そこでは、各種社会保険や年金について学びます。社労士の分野と重なるので、より一層知識の深みが増します。定年延長や退職金の問題に悩む事業主に対して、具体的なアドバイスを行うことができますね。
医療プランの相談!〉
FPの試験科目「リスクと保険」では、生命保険について詳しく学びます。個人のお客さんに向けて、公的医療保険(社労士の専門分野)も含めた総合的なアドバイスを行えるようになります。
資産運用の相談!〉
FPの試験科目「金融資産運用設計」では、様々な金融商品(各種預金・債券・投資信託・株式など)について学びます。社労士として公的年金のアドバイスをする際に、公的年金だけでは不十分なケースも当然あります。FPの金融資産運用の知識があれば、足りない部分を補うためのアドバイスをすることができます。また、老後の資金として十分な年金受給が期待できない若者向けに、資産運用セミナーを開催してみても面白いかもしれません。
税対策の相談!〉
FPの試験科目「相続・事業承継」では、事業承継や相続税対策について、詳しく学びます。事業承継でお悩みの事業主に対して、生命保険を利用した相続税対策のアドバイスができます。税理士には及びませんが、お金のスペシャリストとして、「税対策のコンサルティング」にも手を伸ばせるようになります。

③売上・収入の安定性

社労士とFPのダブルライセンスを保有していれば、売上や収入の安定性が増します。

「専業社労士」「専業FP」よりも扱える業務が増えるので、長期的にお客さんとの深い関係を築くことができます。

よって、継続的に仕事を確保できます。

仕事の流れの一例(新規中小企業編)
・FPとして、家計や貯蓄などに関する、社員のライフプランニング

・社労士&FPとして、1人ひとりに的確な年金相談

・社労士として、雇用・労働に関するさまざまなコンサルティング

・社労士として、顧問契約

・社労士の顧問報酬に加えて、FPとして金融商品を仲介した場合の仲介手数料なども収入に!(※登録を受ける必要アリ)

④信用度アップ→営業面でも〇

「社労士」のみ所有している場合と、「社労士」+「FP」のダブルライセンスを所有している場合とでは、お客さんの信用度が違ってきます。

ダブルライセンスは、他の専業社労士との大きな差別化要因だと言えます。

ステータスや信用度が向上するということは、営業面でも絶大なメリットになります。

セールスポイントも増えますね。

営業戦略が増えれば、新規顧客獲得につながり、売上・収入の安定や報酬の底上げにつながります。

また、ジャンルの異なる多くの業務をこなすことで、当然経験値が増えます。

その後のキャリア形成に好影響を与える上に、それが信用度のアップにも響きます。

顧問社労士として契約をしている場合でも、「君はFPの資格を持っているから、不動産に詳しいよね?住宅ローンに詳しいよね?保険に詳しいよね?資産運用に詳しいよね?」と、様々なビジネスチャンスを貰うことができます。

試験の相性について

「社労士試験」と「FP試験」は、実は、相性が良いです。

試験内容が大きく被っています。

「資格の取りやすさ」から見ても、このダブルライセンスの組み合わせは、非常におすすめだと言えます。

例えば、FPの試験科目の「ライフプランニングと資金計画」では、各種社会保険や年金について出題されます。

つまり、社労士の試験学習で得た知識を、そのまま活かすことができます

FP試験の難易度は、級によって異なります。

ただし、最初に挑戦するであろう3級・2級の難易度は、とても低いです。

3級の合格率は5・60%、2級の合格率は35%くらいです。

社労士試験に合格できるレベルの方なら、苦労せずに取得できるはずです。

※ちなみに、FP試験は、いわゆる「落とす試験」ではありません。ひっかけ問題等も少ないので、しっかりと学習すれば初学者でも容易に合格できます。

とは言え、ダブルライセンス取得には時間がかかります。

質の良い勉強をするに越したことはありません。

FP3級・2級であれば、学校に通う必要はなく、手軽な通信講座やオンライン学習で十分でしょう。

低価格・高品質のフォーサイト 資格スクエアがおすすめです。

まとめ

いかがでしたか?

社労士とFP(ファイナンシャルプランナー)のダブルライセンス」について、簡単にご説明しました。

社労士とFPのダブルライセンスについて
ダブルライセンスの有効性
①「年金・保険」の分野に強い
②業務の幅が広がる(扱えるジャンルが増える)
③売上・収入の安定性
④信用度アップ→営業面でも〇
試験の相性も〇

ライフプラン(家計や貯蓄など)のアドバイスをしつつ、的確な年金相談もできるのは、大きな強みですね!

ぜひ、ダブルライセンス取得について、前向きに検討してみてください!

当ページが、皆さんのご活躍の一助になれば幸いです。

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