当ページは、労働基準法における「解雇制限の解除」について、簡潔に分かりやすくご説明しています。
- 社会保険労務士に興味がある方
- 社労士試験に向けて、独学で勉強されている方
- 労働基準法における「解雇制限の解除」に関しての、簡単なチェックがしたい方
ぜひ、参考にしてみてください!
労働基準法とは?
それでは、まず、労働基準法とは何か、簡単にご説明します。
労働基準法とは、労働条件の「最低基準」を定めた法律です。
昭和22年(1947年)、労働者を保護する目的で制定されました。
具体的には、以下のようなことについて、詳しく定められています。
- 労働契約
- 賃金
- 労働時間
- 休憩
- 休日
- 年次有給休暇
- 年少者
- 妊産婦等
- 就業規則等
皆さんも、学生時代のアルバイトから、サラリーマン生活まで、少なからずこの法律に守られているはずです。
働く人々にとって、最も身近な法律と言えるでしょう。
労働基準法における「解雇制限の解除」とは?
続いて、労働基準法における「解雇制限の解除」について、簡単にご説明していきます。
「解雇」とは、使用者の一方的意思表示による労働契約の解除のことです。
労働者の生活を脅かす行為であるので、当然、いくつかの規制が設けられています。
解雇に関する規制は、主に、以下の2種類に分けられます。
- 解雇制限
- 解雇予告
当ページでは、「解雇制限」が解除される場合について、ご説明します。
労働基準法19条1項では、以下のように定められています。
「使用者が、第81条の規定によって打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においては、この限りでない(解雇制限の規定は適用されないという意味です)。」
(労働基準法第19条第1項より)
ただし、「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」は、「その事由について行政官庁(所轄労働基準監督署長)の認定を受けなければならない」とされています。
つまり、「解雇制限の解除」が成立するのは、次の2つの場合です。
- 打切補償を支払う場合
- 事業継続が不可能で、行政官庁の認定を受けた場合
打切補償を支払う場合
業務上傷病の療養のために休業している労働者において、療養開始後3年を経過しても傷病が治らない場合、使用者が打切補償(平均賃金の1,200日分)を支払うことで、解雇制限が解除されます。
つまり、解雇しても、労働基準法第19条に抵触しないことになります。
ちなみに、打切補償を支払う場合においては、行政官庁(所轄労働基準監督署長)の認定は必要ありません。
事業継続が不可能で、行政官庁の認定を受けた場合
「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」においても、解雇制限が解除されます。
ただし、行政官庁(所轄労働基準監督署長)の認定を受けなければなりません。
「やむを得ない事由」とは、以下のように、事業の経営者として社会通念上とるべき必要な措置をもってしても、如何ともしがたい状況にある場合をいいます。
- 火災による事業場の焼失(事業主の故意or重過失によるものを除く)
- 震災による工場の倒壊 等
「事業経営の見通しミスによる経営困難」などは、「やむを得ない事由」には該当しません。
よって、解雇制限は解除されません。
まとめ
いかがでしたか?
労働基準法における「解雇制限の解除」について、簡単にご説明しました。
もっと詳しく知りたい方や、社労士の勉強をしている方は、
各項目の、さらに細かな内容に触れていってくださいね!
- 社会保険労務士に興味がある方
- 社労士試験に向けて、独学で勉強されている方
- 労働基準法における「解雇制限の解除」に関しての、簡単なチェックがしたい方
当ページが、皆さんの生活や学習の一助になれば幸いです。