当ページは、「社労士におすすめのダブルライセンス」について、簡単にご紹介しています。
社労士と相性の良い資格を活かし、他の社労士との差別化を図ることは、今や珍しいことではありません。
むしろこれからの時代、社労士一本で勝負するのは年々難しくなっていくでしょう。
ということで、「社労士におすすめのダブルライセンス」をご紹介します。
もちろん必須ではありませんが、持っていると“強い”です。
ぜひ、参考にしてみてください!
前提① 社労士とは?
「社会保険労務士」とは、一言で言うと、人事・労務管理・社会保険のスペシャリストです。
昭和43年(1968年)にできた「社会保険労務士法」により誕生した、専門性の高い国家資格です。
少々名前が長いので、「社労士」と略されることが多いです。
「社会保険労務士」が扱う法律は多岐にわたりますが、例えばこんなものがあります。
- 労働基準法
- 労働安全衛生法
- 労災保険法
- 雇用保険法
- 健康保険法
- 厚生年金保険法
- 国民年金法 ,etc.
法律を学ぶというと、敷居が高いように感じますが、心配する必要はありません。
社労士試験に関わる法律は、働く人々にとって身近なものばかりです。
法学部卒や人事・総務部経験者でなくとも、比較的取り組みやすい分野だと言えます。
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社労士の業務内容は?
社労士の業務は、主に、以下の3種類に分かれます。
◇1号業務 ←(独占業務)
- 労働社会保険諸法令に基づいた「申請書等の作成」
- その申請書等の書類を、行政機関に提出する手続きを行う「提出代行」
- 事業主から委任を受け、行政機関へ提出、主張、陳述を行う「事務代理」
- 紛争解決手続代理業務 等
◇2号業務 ←(独占業務)
- 労働社会保険諸法令に基づいた「帳簿書類等の作成」 等
◇3号業務
- 人事・労務コンサルタントのような業務
このうち、1号業務と2号業務は、社労士の「独占業務」です。
独占業務とは、社労士の資格を持っていなければ、報酬を得て行うことができない業務のことです。
つまり、社労士だけに許された仕事ということです。
注目したいのは、3号業務です。
あらゆる企業の、人事・労務上の相談に応じ、適切なアドバイスをする仕事ですが、この業務自体は、社労士でなくとも行うことができます。
しかし、社労士は、法律で認められた専門的な労務管理コンサルタントなので、やはり、価値やニーズが高いと言えます。
そして、この3号業務は、自分の経験を活かしたり、他の資格と併用したりすることで、業務の幅をいくらでも広げることができます。
つまり、【ダブルライセンス】に最適な業務なんです!
社労士の働き方は?
社労士の働き方は、大きく2つのタイプに分かれます。
- 独立開業型
- 勤務型
「独立型」は、文字通り、独立して働くことです。
自分でお客さんを集め、報酬を得ていきます。
気になる収入事情ですが、本当にピンからキリまでです。
最近は、中小企業診断士やFPなどの別の資格とあわせ、事業展開するケースも多いです。
つまり、【ダブルライセンス】が活かしやすい働き方だと言えます。
「勤務型」は、一般企業に就職し、一般社員として働きながら社労士の知識を活かします。
人事部や総務部で活躍するケースが多いです。
あくまでも会社員なので、お給料は一般的な会社員並みか、手当が少し上乗せされるくらいです。
勤務する会社次第ということですね。
【ダブルライセンス】は、主に、キャリアアップや転職に効果を発揮します。
前提② ダブルライセンスとは?
【ダブルライセンス】とは、2つの(複数の)資格を併せ持つことです。
キャリアアップや転職の武器として。事業の幅を広げるため。他との差別化を図るため。
目的は様々ですが、近年、ダブルライセンスを目指す方が増えてきています。
大事なのは、資格の「組み合わせ」です。
難しい資格を2つ取得しても、十分に活かせない場合もあります。
一方で、誰でも簡単に取れる資格でも、組み合わせることによって、差別化を図れる可能性もあります。
あえて、社労士以外の資格を例にとってみます。
◇「栄養士」+「調理師」→ 料理教室を開く
◇「行政書士」+「司法書士」→ 新規顧客獲得へ
◇「簿記2級」+「ITパスポート」→ キャリアアップへ
ダブルライセンスのメリット
・キャリアアップや転職の武器になる
・業務の幅が広がる
・他との差別化が図れる
・知識が増える
・信用が増える
・営業力やマーケティング力が高まる
ダブルライセンスのデメリット
・資格取得に時間がかかる
・最新情報のインプットにも時間がかかる
・資格の勉強、取得に費用がかかる
・資格ごとに、年会費がかかる
・組み合わせによっては、相乗効果が生まれない
社労士におすすめのダブルライセンス11選!
それでは、【社労士におすすめのダブルライセンス】をご紹介していきます!
定番はコレ!!
①中小企業診断士
「中小企業診断士」とは、企業の経営コンサルタントのような資格です。
企業ごとに経営課題を抽出し、解決策を提案する技術を学ぶことができます。
社労士との相性は抜群で、実際に、社労士と中小企業診断士のダブルライセンスを取得している人は多く存在します。
経営の課題の中には、少なからず人事・労務問題が絡んできます。
つまり、「経営」と「労働・社会保険関連の法律知識」は、切っても切り離せない関係にあります。
という、クライアントにとって非常に有益な事業展開が可能になります。
資格の取りやすさも魅力的です。
というのも、中小企業診断士の試験内容は、社労士の試験内容と大きく被っているからです。
社労士の勉強をした人であれば、比較的苦労なく取得できると思います。
・「社労士」と「中小企業診断士」のダブルライセンスについて
②行政書士
「行政書士」とは、国民と行政をつなぐ、法務の専門家です。
“あなたの街の法律家”という呼ばれ方もします。
代表的な仕事は、役所などに提出する書類を、代理人として作成することです。
また、法務コンサルタントとしての相談業務にも、注目が集まっています。
社労士とは、一見、関係性が薄いように思えます。
しかし、社労士の専門外の手続き業務を行えるようになれば、業務の幅が広がり、クライアントの要望に応えやすくなります。
- 建築業における許認可関係の書類について教えて!
- 会社を設立したいんだけど、社会保険ってどんな感じ?
- 会社を設立したら、助成金とか出るの?
- 雇用契約→請負契約に変更したら、社会保険料はどうなる?
というクライアントがいた場合、「社労士」+「行政書士」のダブルライセンス所有者であれば、社労士資格のみを保有している人よりも、顧問契約のチャンスが高まるでしょう。
資格取得の難易度も、社労士に比べれば高くありません。
社労士合格者であれば、苦戦する可能性は低いと言えます。
・「社労士」と「行政書士」のダブルライセンスについて
③ファイナンシャルプランナー(FP)
「ファイナンシャルプランナー(FP)」とは、人生プランの総合アドバイザーです。
お金に関する多角的な知識をベースに、お客さんのライフプランをコンサルティングします。
「社労士」と「ファイナンシャルプランナー」も、ダブルライセンスにおける人気の組み合わせです。
特に、「保険」と「年金」の分野では、ダブルライセンスにおける高い相乗効果が期待できます。
家計や貯蓄などに関するアドバイスをしつつ、的確な年金相談もできるのは、大きな強みです。
また、労災時の保険の適用や、退職金積立に関する税制優遇など、ニーズが高まっている分野でも活躍が期待できます。
高齢者社会が進む現在、イチオシの組み合わせです。
資格の取得難易度は、レベルごとに異なります。
・「社労士」と「FP」のダブルライセンスについて
④司法書士
「司法書士」とは、様々な財産と権利を守り、トラブルの法的解決を図る専門家です。
依頼を受けて、法律に関する書類を作成したり、登記手続きを代行したりします。
社労士とのダブルライセンスで活躍が期待される分野は、建築・不動産関係と年金・相続関係です。
土地や建築物の所有権の移動や登記手続きが頻繁に行われるため、建築・不動産関係では、司法書士が欠かせません。
建築トラブルに対処することもあります。
つまり、社労士と司法書士のダブルライセンス所有者は、建築・不動産業界で“強い”と言えます。
また、高齢化社会が進むにつれ、年金や相続問題は必ず増えてきます。
例えば、相続時における不動産の登記業務にあわせて、遺族年金のアドバイスをすることも可能です。
これからの時代に適した、ダブルライセンスの組み合わせかもしれません。
残念ながら、司法書士の試験範囲は、社労士と重なる部分がほとんどありません。
そのため、一から勉強するとなると、ある程度の時間が必要になります。
・「社労士」と「司法書士」のダブルライセンスについて
⑤税理士
「税理士」とは、主に個人や中小企業の「税金」に関するサポートをする、税務の専門家です。
「税理士」と「社労士」は、顧客対象は重なりやすいですが、業務内容は異なります。
そこで、「税理士」と「社労士」のダブルライセンスを所有していれば、中小企業に対するワンストップサービスにつなげることができます。
つまり、お客さん側にしてみれば、2人の顧問と契約する必要がなくなるわけです。
「経理や税務」に加えて、「人事・労務・社会保険・年金等」についてもアドバイスができるようになり、信頼の高い経営コンサルタントとして活躍ができます。
このダブルライセンスの組み合わせは、非常に“うまみ”が多いと言えますが、税理士の資格難易度は高いです。
社労士試験の内容と重なる部分も少ないです。
よって、時間と労力に余裕がある場合にのみ、挑戦してみましょう。
「人」のスペシャリストに!!
⑥キャリアコンサルタント
「キャリアコンサルタント」とは、個々の適正や経験に応じて職業設計を行い、キャリア形成や能力開発についてコンサルティングを行う専門家です。
2016年に生まれた国家資格です。
社労士の第3号業務との相性は抜群です。
「人」に関するプロフェッショナルとして、独立するケースも多く見られます。
また、企業の人事部門でも重宝される人材になれるでしょう。
多くの人・企業に必要とされる、最強の組み合わせです。
合格率は、50%程度です。
⑦人事総務検定
「人事総務検定」とは、その名の通り、人事総務に関する知識や実務能力を問う検定です。
人事総務部でのキャリアアップを図りたい方、社労士受験生の方、社労士合格者の方に人気があります。
人事総務検定の内容は、そのほとんどが、社労士の実務に関するものです。
よって、人事総務検定と社労士のダブルライセンスは、良質な人事コンサルティングの証明にもなります。
手続き業務だけしかできない社労士ではなく、人事総務の実務にまで深く対応できる社労士として、活躍が期待されます。
また、人事総務検定の試験範囲は、社労士の試験範囲と重なる部分が非常に多いです。
社労士合格者の方なら、苦労なく合格しやすいと言えます。
反対に、社労士受験前に、人事総務検定を受けるのもおすすめです。
⑧メンタルヘルス・マネジメント検定
「メンタルヘルス・マネジメント検定」とは、労働者のメンタルヘルスケアに関する検定です。
仕事や職場での不安やストレスは、年々増加していると言われています。
働く人たちの心の不調を未然に防止するため、心の健康を管理すること(メンタルヘルス・マネジメント)が、とても重要視されるようになってきています。
平成27年12月からストレスチェックが義務化され、職場のメンタルヘルス対策は、現在注目の的です。
当然、社労士も真剣に取り組まなければならない分野でもあります。
「社労士」×「メンタルヘルス・マネジメント検定」のダブルライセンスは、今後も、注目度が高まっていくことは間違いありません。
難易度は、レベルごとに異なります。
Ⅲ種コースの合格率は80%程度。Ⅰ種コースの合格率は20%を下回ります。
トレンド性も高く、社労士とのダブルライセンスにとてもおすすめです。
一見、関連性は低そうだけど?
⑨弁理士
「弁理士」とは、産業財産権に関する手続きを代行する、知的財産の専門家です。
発明や考案、商標などにおいて、請求手続き等を代理で行い、特許庁に登録させ、その後も権利の維持に貢献します。
「社労士」と「弁理士」のダブルライセンスを所持していれば、特許の多い企業との顧問契約につながりやすくなります。
特許の複雑な手続きを代行しながら、労災問題対策のアドバイスができれば、町工場などで喜ばれる可能性が高いです。
しかし、特許事務は大変忙しいので、肝心の社労士の仕事がおろそかになってしまう危険性があります。
また、弁理士の資格難易度は、とても高いです。
難関国家資格だということを理解して、ダブルライセンスについて考えてみてください。
⑩日商簿記検定
企業の活動を数字の面で捉え、経営成績や財政状態を明らかにすることを「簿記」と言います。
「簿記」の技能に関する検定試験が、「日商簿記検定」です。
知名度も人気も圧倒的な資格だと言えます。
給与計算や社会保険関連の業務は、実は経理業務と深く関わっています。
よって、「簿記」の知識がとても役に立ちます。
また、ビジネス全体のお金の流れが理解しやすくなるのに加えて、企業の経営陣や経理担当者と話をするときに、深い部分までツッコむことができます。
1級は別ですが、2級と3級の資格難易度は低いです。
「社労士」×「簿記」のダブルライセンスは、手軽な上に、実用的です。
⑪個人情報保護士
「個人情報保護士」とは、その名の通り、個人情報保護に関する専門家です。
個人情報を適正に取り扱い、安全に管理する技能を有している証明だと言えます。
マイナンバー制度のスタートや個人情報保護法の改正など、“個人情報”の重要性は、年々高まっています。
所得税や社会保険の処理など、社労士の業務は、多くの個人情報を扱うものばかりです。
「個人情報保護士」の有資格者であれば、個人情報を提供する側(お客さん)の安心や信頼を獲得しやすくなるはずです。
資格難易度も、決して高くはありません。
知名度は比較的低いかもしれませんが、これからますます注目を浴びることが期待される資格です。
「社労士」×「個人情報保護士」のダブルライセンスの先駆者になるには、今が狙い時かもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
「社労士におすすめのダブルライセンス」について、簡単にご紹介しました。
②行政書士
③ファイナンシャルプランナー(FP)
④司法書士
⑤税理士
⑥キャリアコンサルタント
⑦人事総務検定
⑧メンタルヘルス・マネジメント検定
⑨弁理士
⑩日商簿記検定
⑪個人情報保護士
社労士と相性の良い資格を活かし、他の社労士との差別化を図ることは、今や珍しいことではありません。
ぜひ、ダブルライセンスを取得し、業務の幅を広げてみてください!
当ページが、皆さんのご活躍の一助になれば幸いです。