当ページは、労働保険料徴収法における「労働保険料(一般保険料)の額」について、とても簡潔に分かりやすく説明しています。
- 労働保険料徴収法における「労働保険料(一般保険料)の額」に関する、初歩的な知識が欲しい方
- 社会保険労務士に興味がある方
- 社労士試験に向けて、独学で勉強を始める方
基本中の基本のことをまとめているので、ぜひ、参考にしてみてください。
「労働保険料徴収法」とは?
まず、「労働保険料徴収法」とは何か、簡単にご説明します。
「労働保険料徴収法」とは、
労災保険や雇用保険に係る保険料の徴収事務について定めている法律です。
正式名称は、「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」といいます。
主な目的は、労災保険と雇用保険の徴収事務を一元的に処理することで、徴収事務の簡素化・効率化を図ることです。
ちなみに、労働保険とは、以下の総称のことをいいます。
- 労災保険法による労災保険
- 雇用保険法による雇用保険
「労働保険料」とは?種類は?
続いて、「労働保険料」とは何か、そして、その種類に関して、簡単にご説明します。
「労働保険料」とは、
「労働保険の事業に要する費用」に充てるために必要な保険料のことをいいます。
基本的に、以下のような種類があります。
- 一般保険料
- 特別加入保険料
- 印紙保険料
- 特例納付保険料
・一般保険料
最も一般的で、中心となる保険料です。
「事業主が労働者に支払う賃金」を基礎にして算定されます。
・特別加入保険料
労災保険に特別加入した中小事業主や自営業者、海外派遣者が納付する保険料です。
・印紙保険料
雇用保険の日雇労働被保険者が、別途納付する保険料です。
・特例納付保険料
雇用保険の保険料の徴収時効(原則的に2年)を過ぎた後に、納付する保険料です。
「労働保険料(一般保険料)の額」は?
次に、「労働保険料(一般保険料)の額」について、簡単にご説明します。
「労働保険料(一般保険料)の額」は、基本的に、以下のように求められます。
賃金総額とは、
“その事業に使用される全ての労働者”に支払われる賃金の総額のことです。
一般保険料率とは、
原則的に、労災保険率と雇用保険率を合わせた率のことです。
ただし、有期事業の場合(労災保険のみ成立している場合)、労災保険率が、そのまま一般保険料率になります。
また、保険年度の初日(4月1日)時点で64歳以上の高年齢労働者については、その年度に係る雇用保険料が免除されます。
(短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者は除く)
そのため、このような高齢者を雇用する事業は、全体の一般保険料の額から、「高年齢労働者の賃金総額×雇用保険率」をマイナスする必要があります。
「労災保険率」と「雇用保険率」とは?
続いて、「労災保険率」と「雇用保険率」について、簡単にご説明します。
「労災保険率」は、過去の災害率などを考慮した上で、事業の種類ごとに決められています。
例えば、平成27年度の場合、以下の通りでした。
- 最高1000分の88(金属鉱業等)
- 最低1000分の2.5(金融業、保険業、不動産業等)
一方で、「雇用保険率」は、3つのパターンが定められています。
平成27年度の場合は、以下の通りです。
- 一般の事業 1000分の13.5
- 農林水産業、清酒製造業 1000分の15.5
- 建設業 1000分の16.5
「労働保険料(一般保険料)」の計算例
最後に、「労働保険料(一般保険料)」の計算例をご紹介します。
例として、1年度間の賃金総額が3,000万円の小売業の場合を考えます。
(労災保険率が1000分の3.5、雇用保険率が1000分の13.5)
この場合、1年度分として納付しなければならない労働保険料(一般保険料)の額は、以下のように計算されます。
= 3,000万 × (0.0035 + 0.0135)
= 3,000万 × 0.017
= 51万(円)
仮に、この事業に、雇用保険の免除対象となる高年齢労働者がいたとします。
(高年齢労働者に支払われた賃金総額は500万円とします)
すると、1年度分として納付しなければならない労働保険料(一般保険料)の額は、以下のように減ります。
= 51万 - 6.75万
= 44.25万
= 44万2,500(円)
まとめ
いかがでしたか?
労働保険料徴収法における「労働保険料(一般保険料)の額」について、簡単にご説明しました。
もっと詳しく知りたい方や、社労士の勉強をしている方は、
各項目の、さらに細かな内容に触れていってくださいね!
- 労働保険料徴収法における「労働保険料(一般保険料)の額」に関する、初歩的な知識が欲しい方
- 社会保険労務士に興味がある方
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当ページが、皆さんの生活や学習の一助になれば幸いです。