労働基準法における「労働時間」等とは?超簡単まとめ【初心者向け】

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当ページは、労働基準法における「労働時間」や「休憩」「休日」「年次有給休暇」等について、とても簡潔に分かりやすくご説明しています。

  • 労働基準法の「労働時間」等に関する、初歩的な知識が欲しい方
  • 社会保険労務士に興味がある方
  • 社労士試験に向けて、独学で勉強を始める方

基本中の基本のことをまとめているので、ぜひ、参考にしてみてください!

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「労働時間」の定義

労働基準法における「労働時間」とは、

労働者が、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことを言います。

言い換えれば、労働者が、労働から離れられず、自由にできない時間のことです。

使用者 …事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者

(労働基準法第10条より)

労働者 … 職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者

(労働基準法第9条より)

使用者と労働者についての、分かりやすい解説はコチラを!

労働基準法とは何か簡単にご説明!まずは総則を知ろう!【初心者向け】

「法定労働時間」とは?

それでは、まず、労働基準法における「法定労働時間」について、簡単にご説明します。

法定労働時間は、1日8時間1週間で40時間が原則とされています。

原則的に、使用者は、労働者に対し、休憩時間を除いて、1週間について40時間を超えて労働させてはなりません。

また、1週間の各日については、休憩時間を除いて、1日について8時間を超えて労働させてはなりません。

よって、1日8時間、1週間で40時間を下回るような「労働時間」は、規定に反するものではありません。

「変形労働時間制」とは?

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次に、「変形労働時間制」について、ご説明します。

「変形労働時間制」とは、

仕事の性質上、法定労働時間の枠組みになじまない事業について、

労働時間の弾力化を行い、仕事の繁閑に応じた労働時間の配分を行うことです。

その本来の目的は、労働時間を短縮することにあります。

一定の要件の下で、以下の4種類の「変形労働時間制」の採用が認められています。

①1ヵ月単位の変形労働時間制

1ヵ月単位の変形労働時間制」は、1ヵ月以内の一定期間を変形期間と定めるものです。

例えば、変形期間を4週間とします。

法定労働時間は、1週間について40時間なので、4週間では、合計で160時間ですね。

変形期間内の総労働時間が、この160時間以内であればOKということになります。

(1週間の平均は、40時間以内ということになりますね。)

とある日の労働時間が11時間でも、ある週の労働時間が45時間でも、認められることになります。

②フレックスタイム制

フレックスタイム制」は、

1ヵ月以内の一定期間で、始業及び終業の時刻を、労働者の決定に委ねる「変形労働時間制」です。

例えば、変形期間を4週間、その期間の総労働時間を160時間と設定したとします。

すると、労働者は、その変形期間内ならば、何時に出社・退社をしてもいいことになります。

もちろん、その期間内に、160時間労働することが前提です。

ただし、ほとんどの企業は、

労働者が絶対に働かなければならない時間帯コアタイム)を決めていることが多いです。

その場合、労働者は、自分の選択で働くことができる時間帯フレキシブルタイム)を設定することになります。

③1年単位の変形労働時間制

1年単位の変形労働時間制」は、変形期間を、最長で1年間に設定できます。

しかし、変形期間が長いため、過酷な労働期間が生まれてしまう可能性があります。

そのため、他の変形労働時間制よりも、労働日数や労働時間に関する制約や限度が、多く設けられています

季節によって、売上や仕事内容、繁閑が変わる事業にとっては、有効な変形労働時間制ですね。

デパートなどの小売業でも、よく設定されています。

④1週間単位の非定型的変形労働時間制

1週間単位の非定型的変形労働時間制」は、

変形期間を1週間として、その1週間の法定労働時間の中で、特定の日に、法定労働時間を超えて労働させることができる制度です。

他の変形労働時間制は、業種や事業規模に関わらず、採用できますが、「1週間単位の非定型的変形労働時間制」は、そうではありません。

以下の4つの事業であって、事業規模が30人未満でないと、採用できません。

  • 小売業
  • 旅館
  • 料理店
  • 飲食業

また、他の変形労働時間制のように、

ある週に、1週間の法定労働時間を超えて労働させることはできないので、注意が必要です。

あくまでも、1週間の法定労働時間の枠組みの中での制度です。

「休憩」とは?

休憩

続いて、労働基準法における「休憩」について、簡単にご説明します。

使用者は、労働者に対して、以下のように休憩時間を与えなければなりません。

  • 6時間を超える場合 … 少なくとも45分
  • 8時間を超える場合 … 少なくとも1時間

ポイントは、「超える場合」だということです。

つまり、労働時間が6時間の場合、休憩を与える義務は生じません。

また、「休憩」には、3つの原則があります。

  1. 途中付与の原則
  2. 一斉付与の原則
  3. 自由利用の原則

意味は、それぞれの言葉通りですが、「一斉付与の原則」には、例外もあります。

以下に当てはまる場合は、休憩を一斉に付与する必要はありません。

  • 坑内労働の場合
  • 運輸交通業
  • 商業
  • 金融広告業
  • 映画演劇業
  • 通信業
  • 保健衛生業
  • 接客娯楽業
  • 官公署

また、上記に該当しない場合でも、労使協定を結べば、休憩を一斉に付与しなくてもいいことにできます。

労使協定 … 労働組合又は労働者を代表する者と、使用者が、労働条件等について結ぶ協定のことです。通常、書面によります。

さらに、「自由利用の原則」にも、例外があります。

以下に該当する者には、休憩を自由に利用させる必要はありません。

  • 坑内労働をしている者
  • 警察官
  • 消防吏員、常勤の消防団員
  • 児童自立支援施設等に勤務する職員(児童と寝起きを共にする者に限る)
  • 乳児院や児童養護施設に勤務する職員(児童と寝起きを共にする者に限る)であり、あらかじめ労働基準監督署長の許可を受けたもの
  • 児童福祉法に規定する居宅訪問型保育事業に使用される労働者のうち、同法に規定する家庭的保育者として保育を行う者(一定の場合を除く)

「休日」とは?

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続いて、「休日」についての簡単な説明です。

労働基準法における「休日」とは、労働義務のない日のことです。

使用者は、以下のように、労働者に「休日」を与えなければなりません。

この「休日」を、「法定休日」と呼びます。

毎週、少なくとも1回の休日を与える

又は

4週間を通じて、4日以上の休日を与える

また、「法定休日」は、日曜日や祝日に設定する義務はありません。

事業場ごとに定めることができます。

「時間外労働」「休日労働」「深夜業」とは?

続いて、「時間外労働」「休日労働」「深夜業」について、簡単に、まとめてご説明します。

それぞれの意味は、以下の通りです。

  • 「時間外労働」 … 一定の要件の下で、法定労働時間を超えて労働すること
  • 「休日労働」 … 一定の要件の下で、法定休日に労働すること
  • 「深夜業」 … 一定の要件の下で、原則的に、午後10時から午前5時までの間に労働すること

上記の労働を行った場合、

使用者は、労働者に対し、その日の労働又は労働時間に対する通常の賃金とは別に、「割増賃金」を支払わなければなりません。

「割増賃金」の額は、

「時間外労働」「休日労働」「深夜業」をさせた日の労働又は労働時間に対する通常の賃金に、以下の率を掛けて決まります。

  • 「時間外労働」 … 25%(一部の場合は除く)
  • 「休日労働」 … 35%
  • 「深夜業」 … 25%

「みなし労働時間制」とは?

労働 契約

続いて、「みなし労働時間制」について、ご説明します。

「みなし労働時間制」とは、

実際の労働時間にかかわらず、その日は、あらかじめ定めていた時間分、労働したものとみなす制度です。

例えば、1日の労働時間を8時間とみなすことにしていた場合、

実際には9時間労働していても、7時間しか労働していなくても、8時間労働したものとみなされます。

以下の3つの種類があります。

①事業場外労働のみなし労働時間制

事業場外労働のみなし労働時間制」は、

使用者の具体的な指揮監督が及ばず、労働時間を算定しがたい場合に、一定の要件の下で、適用できる「みなし労働時間制」です。

営業等の外勤をするときに、最適ですね。

②専門業務型裁量労働制

専門業務型裁量労働制」は、

業務の性質上、その遂行方法を、大幅に当該業務に従事する労働者の裁量に委ねる必要がある業務について、一定の要件の下で、適用できるものです。

例えば、新商品の研究開発や、TVのプロデューサー、新聞記事の取材など挙げられます。

③企画業務型裁量労働制

企画業務型裁量労働制」は、

事業の運営に関する事項についての「企画」「立案」「調査」及び「分析」の業務に従事する労働者について、一定の要件の下で、適用できるものです

「年次有給休暇」とは?

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最後に、「年次有給休暇」について、簡単にご説明します。

使用者は、入社してから6ヵ月間継続して勤務し出勤率が8割以上労働者に対して、原則的に10日の有給休暇を付与しなければなりません

この有給休暇を「年次有給休暇」と言います。

この「年次有給休暇」は、労働者の継続勤務期間が長くなるにつれて、最大で20日まで増えることになります。

継続勤務年数と、年次有給休暇の付与日数は、以下の通りです。

0.5年 1.5年 2.5年 3.5年 4.5年 5.5年 6.5年~
10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日

まとめ

いかがでしたか?

労働基準法における「労働時間」や「休憩」「休日」「年次有給休暇」等について、簡単にご説明しました。

もっと詳しく知りたい方や、社労士の勉強をしている方は、

各項目の、さらに細かな内容に触れていってくださいね!

  • 労働基準法の「労働時間」等に関する、初歩的な知識が欲しい方
  • 社会保険労務士に興味がある方
  • 社労士試験に向けて、独学で勉強を始める方

当ページが、皆さんの生活や学習の一助になれば幸いです。

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