当ページは、労働基準法の「基本理念」について、簡潔に分かりやすくご説明しています。
- 社会保険労務士に興味がある方
- 社労士試験に向けて、独学で勉強されている方
- 労働基準法の「基本理念」に関しての、簡単なチェックがしたい方
ぜひ、参考にしてみてください!
労働基準法とは?
それでは、まず、労働基準法とは何か、簡単にご説明します。
労働基準法とは、労働条件の「最低基準」を定めた法律です。
昭和22年(1947年)、労働者を保護する目的で制定されました。
具体的には、以下のようなことについて、詳しく定められています。
- 労働契約
- 賃金
- 労働時間
- 休憩
- 休日
- 年次有給休暇
- 年少者
- 妊産婦等
- 就業規則等
皆さんも、学生時代のアルバイトから、サラリーマン生活まで、少なからずこの法律に守られているはずです。
働く人々にとって、最も身近な法律と言えるでしょう。
労働基準法の「基本理念」とは?
労働条件の原則について
労働基準法は、労働条件の「最低基準」を定めています。
労働基準法第1条では、以下のように定められています。
「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。」
労働基準法第1条より
なんとなく聞き覚えがありませんか?
小・中学生の時に習った方も多いと思いますが、日本国憲法第25条の規定と似ているんですね。
「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」
日本国憲法第25条より
また、労働基準法第1条には、こんな定めもあります。
「この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。」
労働基準法第1条より
例えば、ある会社の就業規則に定める労働時間が、7時間30分だったとします。
労働基準法で定める労働時間の上限(最低基準)は、基本的に、8時間です。
「じゃあ、就業規則に定める労働時間(7時間30分)を、労働基準法の水準(8時間)にまで引き下げよう!(1日8時間勤務に変更しよう!)」ということは、法律違反になります。
ちなみに、たとえ労働者と使用者との合意に基づいた引き下げであっても、本条違反となります。
しかし、労働基準法の基準を理由としたものではなく、社会経済情勢の変動など、他に決定的な理由がある場合の引き下げは、本条に抵触しません。
少々ややこしく感じるかもしれませんが、要は、
「労働条件の最低基準を定めたけど、だからってこの最低基準にまで労働条件を下げないでね。労働者がかわいそうでしょ。むしろ、向上させるように努力しましょうね。」
といったニュアンスです。
労働条件の決定について
労働基準法第2条では、以下のように定められています。
「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。」
「労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない。」
労働基準法第2条より
労働条件の決定において、「労使対等の立場」というものが強調されています。
ただし、先ほどの労働基準法第1条についても、この第2条についても、たとえ違反したとしても罰則を受ける定めはありません。
まとめ
いかがでしたか?
労働基準法の「基本理念」について、簡単にご説明しました。
もっと詳しく知りたい方や、社労士の勉強をしている方は、
各項目の、さらに細かな内容に触れていってくださいね!
- 社会保険労務士に興味がある方
- 社労士試験に向けて、独学で勉強されている方
- 労働基準法の「基本理念」に関しての、簡単なチェックがしたい方
当ページが、皆さんの生活や学習の一助になれば幸いです。