当ページは、労働基準法における「フレックスタイム制」について、簡潔に分かりやすくご説明しています。
- 社会保険労務士に興味がある方
- 社労士試験に向けて、独学で勉強されている方
- 労働基準法における「フレックスタイム制」に関しての、簡単なチェックがしたい方
ぜひ、参考にしてみてください!
「フレックスタイム制」とは?
労働基準法32条の3では、以下のように定められています。
「使用者は、就業規則その他これに準ずるものにより、その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定に委ねることとした労働者については、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により(つまり労使協定により)、次に掲げる事項を定めたときは(後ほどご説明します)、その協定で第2号の清算期間として定められた期間を平均し1週間当たりの労働時間が第32条第1項の労働時間(40時間、特例事業の場合は44時間)を超えない範囲内において、同条の規定にかかわらず、1週間において同項の労働時間(40時間、特例事業の場合は44時間)又は1日において同条第2項の労働時間(8時間)を超えて、労働させることができる。」
(労働基準法第32条の3より)
労働基準法における「フレックスタイム制」を採用するためには、「就業規則その他これに準ずるもの」と「労使協定」が必要です。
また、この「労使協定」は、行政官庁(所轄労働基準監督署長)に届け出る必要はありません。
「フレックスタイム制」とは、
1ヵ月以内の一定期間において、始業及び終業の時刻を、労働者の決定に委ねる「変形労働時間制」です。
清算期間として定められた期間を平均して、1週間当たりの労働時間が、1週間の法定労働時間(40時間、特例事業の場合は44時間)を超えない範囲内ならば、以下の場合も認められる制度です。
- 1週間において、1週間の法定労働時間(40時間、特例事業の場合は44時間)を超えて労働する
- 1日において、1日の法定労働時間(8時間)を超えて労働する
また、労働者が絶対に働かなければならない時間帯(コアタイム)を決めることもできます。
労働者が自分の選択で働くことができる時間帯(フレキシブルタイム)を決める場合もあります。
(※コアタイムやフレキシブルタイムを定めるのは任意です)
「規定事項」は?
上記の労働基準法32条の3で、「次に掲げる事項を定めたときは」とありますが、「次に掲げる事項」とは、以下の通りです。
- この条の規定による労働時間により労働させることができることとされる労働者の範囲
- 清算期間(その期間を平均し1週間当たりの労働時間が第32条第1項の労働時間(40時間、特例事業の場合は44時間)を超えない範囲内において労働させる期間をいい、1ヵ月以内の期間に限るものとする。次号において同じ。)
- 清算期間における総労働時間
- その他厚生労働省令で定める事項
(労働基準法第32条の3より)
つまり、労使協定には、以下のことを定める必要があります。
- フレックスタイム制を適用できる労働者の範囲
- 清算期間(1ヵ月以内の期間に限る)及びその起算日
- 清算期間における総労働時間
- 標準となる「1日の労働時間」
- コアタイム(労働者が絶対に労働しなければならない時間帯)を定める場合、その時間帯の開始及び終了の時刻
- フレキシブルタイム(労働者が自分の選択で労働することができる時間帯)に制限を設ける場合、その時間帯の開始及び終了の時刻
また、「就業規則その他これに準ずるもの」には、以下のことを定める必要があります。
- 始業及び終業の時刻をその労働者の決定に委ねる旨の定め
ちなみに、始業時刻と終業時刻の片方だけを労働者の決定に委ねるものではいけません。
始業時刻と終業時刻の両方を労働者の決定に委ねる旨を定める必要があります。
まとめ
いかがでしたか?
労働基準法における「フレックスタイム制」について、簡単にご説明しました。
もっと詳しく知りたい方や、社労士の勉強をしている方は、各項目のさらに細かな内容に触れていってくださいね!
- 社会保険労務士に興味がある方
- 社労士試験に向けて、独学で勉強されている方
- 労働基準法における「フレックスタイム制」に関しての、簡単なチェックがしたい方
当ページが、皆さんの生活や学習の一助になれば幸いです。